何のために大学に行くのか(1)
今日友人に会ったのですが、「学歴(早慶上智……とかじゃなくて、大卒や高卒といった"タテの学歴")を限定して採用する企業がある」という、当たり前といえば当たり前のことを私との会話の中で知ったようでして……そこで意味深なことを尋ねられました。
「ねえ、高卒と文系大卒は何が違うの? 同じでしょう?」
曰く、自分の専攻は社会で役立つものではない。だから趣味を4年間やったのと同じであり、高卒と何ら変わりない、という御意見でした。
ちなみに彼女の専門は……確か純文学だったはずです。確か。
まずこの記事。
もはや陳腐化してしまった!大学に行く必要や意味がない6つの理由
この記事を書いたのは私より1学年上の大学生の方です。読んでいただければ分かりますが、この方にとって大学は勉強するところであり、その機能が失われつつあるから大学に行く必要がないと仰っています。……確かに、大学は勉強するところです。
一方こちらは日経ビジネスの記事です。
この記事は主にいわゆるL型大学・G型大学論批判なのですが、筆者の小田島さん曰く、大学に行く理由は
建前論を言うなら、大学は、そもそも産業戦士を育成するための機関ではない。
労働力商品の単価を上げるための放牧場でもない。「じゃあ、何のための場所なんだ?」
と尋ねられると、しばし口ごもってしまうわけなのだが、勇気を持って私の考えを言おう。
大学というのは、そこに通ったことを生涯思い出しながら暮らす人間が、その人生を幸福に生きて行くための方法を見つけ出すための場所だ。
きれいごとだと言う人もいるだろう。
が、われわれは、「夢」や「希望」や「きれいごと」のためにカネを支払っている。
なにも、売られて行くためにワゴンに乗りにいくわけではない。
……だそうです。
それと、こんな意見もあります。
大学に行く意味・理由ってなんだろう?:5つの論点とそれぞれの主張 | 世界一わかりやすいニュース解説ブログ ※埋め込みに失敗しました
この記事は交友関係の形成などといった大学生活の周辺的な点にも触れています。
これらはGoogleさんで「大学 行く 理由」で検索したものなのですが、この論点について述べたページの多いことに驚きました。
思えば私自身、入学直後この論点について書かれた本、例えば
なぜ「大学は出ておきなさい」と言われるのか―キャリアにつながる学び方 (ちくまプリマー新書)
- 作者: 浦坂純子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/01
- メディア: 新書
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こういった本を読んだのですが、いまいちしっくりこないというのが本音です。
思うに、そもそも大学は就職を前提とした場所ではありません。高等教育機関です。
私自身は親に「大学は必ず出ろ」と言われたのと、学者志望だったという理由から特に悩まず進学しましたが、良く考えるとacademicと就職は必ずしも両立するものではないはずであり、特に文系の中でも我々文学部の場合、勉強したことがそのまま役立つ可能性は低いです。
じゃあ、何のために大学に行くのか……というか、何のために大学に行ったのか……。
もう少し、考えてみる価値がある気がします。
というわけで、何か思いついたら(2)を書きます。多分。